外注費だけを見て、内製化のほうが安いとは判断できません。社内の制作・確認・修正時間とツール費を含めて比較し、定型の更新は社内、初回の設計は共同制作、重要な表現は外注という分担から考えましょう。
「毎月の外注費を抑えたい。でも、担当者の仕事が増えすぎるのも困る」。AIによる内製化を考えるとき、費用と品質の両方が気になるのは自然なことです。
内製か外注かを、会社全体で一度に決める必要はありません。同じSNS投稿でも、初回のテンプレート設計と毎週の情報更新では、必要な判断が違います。作業を分けて比較してみましょう。

ひとつの制作物の中でも、分担できます
プロ
企画・最初の型を設計
社内+AI
定型の原稿・画像を更新
人が確認
事実と品質を見て公開
1. 媒体ではなく「作業」で分けてみる
「チラシは内製、Webは外注」という分け方だけでは、判断が粗くなります。企画、原稿、素材づくり、レイアウト、確認、入稿・公開に分けると、担当しやすい部分が見えてきます。
| 作業の例 | 分担の候補 | 判断する理由 |
|---|---|---|
| 既存フォーマットの日付差し替え | 社内 | 変更範囲を限定できる |
| 商品説明の原稿案 | 社内+AI、人が照合 | 元情報と比較できる |
| 初回のチラシ・投稿テンプレート | プロと共同制作 | 次回も使う型を設計する |
| ブランドの顔になる広告 | プロを中心に検討 | 表現・品質の判断が大きい |
| 公開前の事実確認 | 社内の責任者 | 事業の事実を確認できる人が必要 |
2. 比較する費用には、確認と修正の時間も入れる
内製化すると外注費の支払いが減っても、社内の工数は発生します。作る時間だけでなく、上司への確認、修正、素材を探す時間も含めて記録します。
まずは同じ本数・同じ品質条件で比べましょう。外注案にも社内の依頼・確認工数はあるため、両方に同じ考え方を当てはめます。社内時間単価は検討のための仮の換算値であり、実際にその分の現金支出が減るとは限りません。
3. 仮の数字で、見落としを確かめる
以下は考え方を示す架空の試算です。料金相場や導入効果の実績ではありません。月4本の定型画像を同じ品質で用意する想定です。
| 仮の条件 | 外注を続ける | 内製に切り替える |
|---|---|---|
| 外部への支払い | 40,000円 | 0円 |
| 社内の総作業時間 | 2時間 | 10時間 |
| 社内時間単価 | 3,000円 | 3,000円 |
| ツール費の配賦 | 0円 | 3,000円 |
| 月の比較費用 | 46,000円 | 33,000円 |
この仮定では月13,000円の差ですが、内製に15時間かかるなら48,000円となり、大小関係が逆転します。初期設計や研修の費用はこの表に含めていません。「AIなら安い」ではなく、自社の条件で見ることが大切です。
4. 安くなっても、変えてはいけない条件を決める
価格・日付の正確さ、ブランドの印象、読みやすさ、公開期限。内製化しても落としたくない条件を書き出します。安く作れることと、必要な役割を果たせることは別です。
また、担当者が休んだときに止まらないかも確認します。ひとりだけが作れる状態では、外注先への依存が社内のひとりへの依存に置き換わるだけかもしれません。編集データと手順を共有できるかまで含めて判断しましょう。
5. 迷ったら「初回は共同制作、更新は社内」から
同じ型を何度も使う仕事なら、最初にプロとテンプレートをつくり、担当者が次の制作で使ってみる方法があります。初回に品質の基準を決め、更新時の迷いを減らす考え方です。
ただし、毎回企画が大きく変わる制作物では、固定のテンプレートが合わない場合もあります。まず1種類で試し、社内時間・修正回数・品質を見てから対象を広げましょう。
- 繰り返しが多い → 内製化の候補にする
- 初回の判断が難しい → 型づくりを共同制作する
- 毎回高度な判断が必要 → 外注を残す
- 確認する人がいない → 先に体制を整える
自社の外注費と制作物を並べると、相談が具体的になる
現在の制作物、頻度、外注費、社内の確認時間が分かると、どこを内製化するか話しやすくなります。正確な工数が分からなければ、次の1回だけ記録するところからで大丈夫です。
うちのAIクリエイティブは、すべてをAIに置き換える前提ではありません。社内で作る部分、プロと作る部分、外注に残す部分を整理し、必要な支援だけを検討します。
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自社の場合を、整理してみる
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よくある質問
外注費が必ず下がりますか?
必ず下がるとは限りません。社内工数や初期費用を含めると負担が増える場合もあるため、一部の業務で試して比較します。
すでに依頼しているデザイナーがいても相談できますか?
はい。既存の制作体制を活かしながら、定型更新だけを社内に移すなど、役割分担を検討できます。既存データの利用・編集条件は別途確認します。



